Magical Myster Tourとは
以下、マジカルミステリーツアー表記。
トレーラーはこちら。
https://youtu.be/K2xpbKBuTEw?si=W705IisrWrGgpbnv
マジカルミステリーツアーとは、1967年12月26日(ボクシング・デーという祝日)に、英国国営放送 BBCで放送されたテレビ特番。
放映権は1,000万円らしい。
脚本と監督は基本的にポール・マッカートニーで、出演はビートルズを主として、俳優名鑑からビートルズが顔/第一印象で選んだ人たち。
同名のアルバム、というかこの番組のサウンド・トラックもある。
ビートルズの歴史のいつか?
1967年8月。
ビートルズご一行が、マハリシのもとで講義を聞いくためにインドに滞在している間に、マネージャーのブライアン・エプスタインがオーバードウズで死亡。
その1ヶ月後の1967年9月から制作が始まって、その年の12月には公開。
かなりのスピード感に思えるが、着想は同年の4月ごろにポールが当時の恋人であるジェーン・アッシャーをホームビデオで撮影したり、ケン・キージーがアメリカでヒッピーを引き連れてサイケな塗装がされたバスでLSDを広める運動をしていることを聞きつけたりしたことがはじまりらしい。
ちなみに、ケン・キージーは映画化もされたカッコーの巣の上での著者でもある。
サンフランシスコのドラッグカルチャーの重要人物だそう。
ヒッピー→フラワー・ムーブメント(戦いより世界に花を!的なカルチャー)→サマー・オブ・ラブ(さらにめちゃ盛り上がってるじゃん的な社会現象)と、諸々と盛り上がったのも1967年。
さらにちなむと、The WhoのMagic busも、ケン・キージーの活動に触発された曲。こちらのリリースはビートルズよりちょっと遅くて、1968年。
そういえば、ドアーズのデビューも1967年?
まぁとにかく、1967年春から夏ごろに着想を得て(ポールが)、8月にエプスタインが亡くなって、ビートルズたちはヤバいことになったこれからどうすれば良いんだ…とざわざわ。
そして、それまではグループを導いていたのはエプスタイン(とジョン)だったけれども、これを機にポールの発言力が強まった。
ということで、着想もプロデュースも主たる人物もポール。
ビートルズたちが、アイドルから脱したいと思いを強めた時期でもあるので、HELP!みたいな感じではなくて、アーティスティックというか…… これまでとは違う雰囲気になったというのもあるでしょう。
とはいっても、ブルー・ジェイ・ウェイはジョージがLAで迷子ちゃんになったことからつくられたシーンだし、(ポール視点では)各自アイディアを持ち寄って作られたのである。
そうそう、ポールが子供のころに参加をしたミステリーツアーももちろん着想元。行き先を隠して、さ〜お楽しみ!という感じでバスに乗ったら、大体行くのはいつもと同じ場所だったとか。1950〜1960年代にイギリスで流行ったらしい。
批判されて、ポールはごめんなさいする羽目に
で、マジカル〜は、ボクシング・デーに日本でいうところのNHKで放映された。
まず、ボクシング・デーというのは、クリスマスの翌日で、プレゼントが入っていた箱を教会に持っていく祝日だそう。
あんまり感覚が分からないけど、クリスマスの延長みたいな感じかなあ。
で、放映はNHK、、BBCだけど、国営放送。かつ、当時はビートルズがライブをやらなくなった時期でもあって、注目度は高かったはず。
放映されて、これがめちゃくちゃ不評。
視聴率は75%〜35%と本によって書いてあることがバラバラだけど、まぁとんでもない人数がみてたんでしょう。で、不評。
理由は…内容がシュールで、ボクシング・デーにはそぐわなかったとか。
個人的には、白黒だったからじゃないの??と思う。白黒だったら、相当みるのしんどいと思う。
ミュージックビデオ集みたいな感じで、時代が追いついてなかった とか、シンプルに内容がつまらないとか…まぁいろんな意見があったようだけれど
ふわっととは言ってもストーリーはあるし、ミュージックビデオ集ではないでしょう。シュールっていうほどでもない。
ただ、カラフルなバスや景色がこの作品の良さの大部分を占めてるなぁとは思うので、白黒でみるのは…確かにな……
あと、ボクシング・デーが、たとえば正月三が日みたいな、家族でゆっくり過ごして、ドラえもん映画とかみるような日だとすると、え?いまこれ?みたいな、そぐわなさはあると思う。
まぁ、それは流すって決めたBBC側の問題だよね?と思うけど。
ポールは批判に対して、公式にごめんなさいしつつも、これからもやっていくよ的なコメントをしてたりしていて、そんな前向きさが素敵だなーと思う。
ちなみに謝罪は翌日27日だから、動きが早い。
メンバーは、、概ね前向きなコメント。
ジョージは、何やってんのかよくわかんなかったわ的なコメントを出していたと思うけど、この映画が僕たちを(エプスタインの死から)引き上げてくれたとともコメントしてる。
それに、スピルバーグがベスト映画として挙げたり、MVの先駆けと言われたりしてるわけで、当時は…だったかもしれないけど、結果的には大成功した作品だと思う。
シングルヒット曲だって、ストロベリー・フィールズ〜と、ペニー・レーンと、、あとAll You need is Loveと、、、fool on the hillもあるし。
いまやoasisのカバーの方が有名かもだけど、I am the warlusも入ってるし。All you need〜は作品には使われてないけど。
The WhoのTommyの方がよほど難解と思う…。
ストーリー/作られ方
とはいえ、まぁ、そんなに書くほどのストーリーもないと言えばない。
音楽と、カラフルな画面と、ハッピーな雰囲気を楽しむのである。。
リンゴが未亡人の叔母さん?伯母さん?を連れて、ミステリーツアー(バスツアー)に参加して、行く先々でいろんなことがあるよーがざっくりなストーリー。
いろんなことの中には、天?にいる魔法使い(ビートルズとロードマネージャーのマル・エヴァンス)が引き起こすこともあるよん という感じ。
脚本らしい脚本もなく、ざっくりの筋書きだけあって細かいところはやりながら決めたとか。
Blu-rayについてきたブックレットに、ポールの手書きの工程表?的なものがあるのだけれど、丸がきれーいに8分割されて、マラソン、とか、あとスマイルがかかれてるだけ。
そりゃストーリーは、濃くはならないよね。でもそんな行き当たりばったりで、こんなに心に残って映画界の巨匠からも賞賛されるわけだからすごい。
別に映画に決まった作り方なんてないだろうし、セオリーはあるだろうけど。
そもそもポールも、ハード・デイズ・ナイト、ヘルプ!みたいなものではなく、、プロが作った映画に自分たちが出演するのではなく、オーガニックな(自然な、偶発的な、あるいはあえて素人っぽい)ものにしたいとも言っているので狙い通りの評判ではある?のかな?
ちなみに、時計じかけのオレンジでバー?クラブ?レコードショップ?がうつるところで、棚の上にマジカルミステリーツアーのレコードが飾られてる。
女の子ナンパするところ。序盤。
さらにちなむと、曲は後から作ったらしい?そうなの?そういう曲もあるってことかな。
シーンと曲など
まず、リンゴのスーツ姿がめちゃくちゃかっこいい。リンゴとジェシーの揉めてるシーンはアドリブらしい。
見どころはいろいろあるけど、絞って。順番は適当。
fool on the hill
ポールだ。良い子にしてたら良い歌詞が書けることの証明だ。 と、ジョンが語ったのは皮肉?(プレイボーイのインタビュー)
the pillowsのfool on the planetの元ネタ。
曲の感じは全然違うけど。
hillはこっち- YouTube
planetはこっち- YouTube
ここだけ、南フランスに行って(ポールとカメラマンが)撮影。
みんなに馬鹿と思われてるけど、でも世界が回るのを自分の目でしっかり見てる。馬鹿なのは、馬鹿にしてくる周りだとわかってるんだ、と。
寂しいけど、でも支えになる曲だなぁと思う。曲調は全く違うけど、fool on the planetも同じ。
All my Loving
アレンジバージョン。
海岸で、リンゴのおばさんと乗客のちょっとクレイジーなおじいさん(ブラッドベッセル)のラブシーン。
ウェストン・スーパーメアという場所らしい。
おばさんとおじいさんのラブシーンで、なんというか美男美女のきゃー!みたいな感じはないけど、、心暖まる。
砂にハート描いたり、抱きしめたり、プロポーズ的な片膝ついたポーズを取ったり。
BBCだとカットされたらしい。なんで?それが酷評の原因では?
All my lovingはこちら
I am the warlus
本作が批判されたときに、ポールが『ジョンがI am the〜を歌っているのを観られるだけでも価値があるさ』って反論したとか。
ウォルラス…セイウチ。不思議の国のアリスに出てくるセイウチがモチーフ。エッグマンも。
使われてるシーンでは、セイウチ?とか他のの動物に扮してるメンバーが可愛いような、不気味なような。
シャイニングの着ぐるみ?を思い出して、ちょっとこわーい。
Oasisのカバーの方が今や有名?なのかな?どちらも好き。
ノエルのフゥー!が良い。。
ちなみに、セイウチは牡蠣の赤ちゃんたちを騙して食べちゃう悪者。ジョンは善人と勘違いしてたらしい。
作品の中ではジョンがメインの曲はこれとStrawberry〜だけだけど、インパクトがすごい!
かっこいいー
終盤部分のリズムは、宮城県民謡「斎太郎節」と共通点ありらしい。Oopma〜以降。たしかに。
しかし本当にポールの言う通りで、ジョンがとにかくかっこいい。衣装も良い。ジョージがめちゃくちゃ似合ってる。エキゾチックな感じ。
次のシーンで、子どもととても自然な感じで遊んでいるジョンの表情が柔らか。リンゴはイライラしてキレてる…演技?
おばさんの夢のシーン
ジョンの夢が元ネタ。
延々盛られるスパゲッティがグロい、、、
ジョンの義理のお父さんがウェイターだったらしい。
Blue Jay Way
ジョージがLAで、霧のせいで迷っちゃった思い出。ふふ。映像はかっこいいけど、なんでその話?
デレク・テイラーの家がBlue Jay Wayにあったんだとか。地名。アルバムでみると、地名ソング3曲か。
とにかくかっこいい。
(Strawberry、penny lane、こちら)
Your mother should know
ポールが好きだったミュージカルが元。
白いタキシードに、赤いカーネーション(ポールは黒)がかっこいい。ちなみに理由は、赤がないからということだけ。
ジョージのイヤイヤな感じが…
ポールは楽しそう。笑
大団円!って感じ、楽しい旅って感じがする。
曲のテーマも、ママなら知ってる昔の歌だし、ノスタルジックでジーンとくる。
ジョンとジョージのコーラスも素敵。
その他/メモ
- もともとは、コーンウォールという場所を目指してたらしい。ジョージとポールがヒッチハイクで行った場所。
- この頃僕らがやったことは意味不明なことも多い。意味を見つけようとしているのがわかるよね。この映画の価値はそこ。byポール
- ハンブルグ時代の思い出話もありつつ
- ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドが出てる。 デス・キャブ・フォー・キューティ。ポールが別名でプロデュースもしてる。
- オーディオコメンタリーで、ポールが批評家の皆さんもご親切にありがとねって言ってるの面白い。
どこが好きなのか
動いてるビートルズが見られるから。
というと、もう…なんというか、あっさって感じですが。
バスの塗装含めたカラフルさと、あと、、、All my lovingが流れるシーンかな。心暖まる。
泣ける。
整合性に欠けるというか、確かにきちんとしてないストーリーではあるけれど、悲しいことや辛いことは起きない。
さすがポールというか、ハッピーなストーリーで、気分が晴れる。
そんなわけで、好きですマジカル・ミステリー・ツアー。